What a wonderful life! in 維摩会春秋館(維摩会春秋館で過ごす素晴らしい時) NO1

Overcoming suffering is a big chance of happiness!

(苦難を乗り越えることは、幸せへの大いなるチャンス!)

春の風はヨーロッパの香りがします。

 

憧れのヨーロッパに初めて旅立ったのはもう随分前のことです。

大学3年の春休みでした。

ちょうど、地球の歩き方という本が出たての頃でしたね。

 

大学生が春休みや夏休みにバックパック背負って1ヶ月以上海外を旅しました。

私の周りにはアメリカやヨーロッパに行く人が多かったです。

女子も結構1人で出かけてましたね。

 

私は女友達と2人で42日間、ヨーロッパ8か国を周りました。

友達のお父さんが大学で教えていて、ギリシャはヨーロッパ文明発祥の地だから見てお

いた方がいいよ、と言って下さり、最後にローマに1泊、アテネに2泊とローマからア

テネまでの航空券、初日はロンドンに1泊と、それと往復の航空券(これで約27万)の

みがついていて、あとは自由に回るプランでした。

 

上記とその他の宿泊費と交通費と食事代、お土産代など全て含めて

1日約5千円で過ごした計算で、確か52万だったか、55万だったかでやりくりしました。

当時1ドル260円ぐらいでしたのでなかなかの貧乏暮らしだったと思います。

 

ですが、洗練されたヨーロッパの文化に触れて、目から鱗がポロポロと剥がれ落ちまし

た。圧倒される歴史と伝統に、思わず私の心は「なんて素晴らしいんだろう」って嬉しくって嬉しくって興奮さめやらない状態になってしまったのです。

 

帰国してからもヨーロッパが恋しくで仕方がありませんでした。

こうやって世界を放浪する旅に出ていく人もいるんだろうなと思いました。

 

これから先の人生でこれ以上の経験はきっとないんだろう、と感じましたね。

ところが、有難いことにその期待は見事に裏切られたのです。

 

私が維摩会春秋館と出会ったのは、大学を卒業してしばらくたってからのことでした。

 

大学卒業したての私は念願の高校教師になりました。

教室では、学びの可能性が無限に広がる空間と時間が繰り広げられるのではないかと

ワクワクしていました。

 

ところが・・・・・・・・・・

生徒たちのほとんどが勉強に対して消極的でした。

加えて毎日のように問題を起こしてくれました。

 

必死で対応する日々が続いたのです。

どうしてこんなに問題が起きるのだろう、それは多くの場合、生徒の家庭にいろいろと大変な状況があることもわかりました。

そんな中で、生徒の皆さんもよく頑張っていたと思います。

 

でも私は悩んでいました。

どうしたら生徒たちをより良い方向に導いていくことが出来るんだろうってね。

 

生徒思いで指導力のある立派な先生も沢山おられます。

多くを教わり本当にお世話になっております。

心から感謝しています。

 

でも私の探し求めているものはそこには見出すことはできませんでした。

 

なぜ辛いことが起こるんだろう、その苦しみを克服する方法はないのだろうか、とその疑問に対する答が欲しかったのです。

その答を見いだすことが出来たところが維摩会春秋館だったのです。

 

私にとって困難は避けるべきものであり、関わりたくないものであることに気付きました。

しかし、困難から目をそらそうとすればするほどその困難は形を変えてやってきました。

 

困難とは避けるものではなくて乗り越えるべきものである、と教えてくれたのが維

摩会春秋館でした。

 

そしてそうした困難を乗り越えた時、本当に目の前に見える景色が今までのものとは違って見えたのです。

 

つい最近のことです。

今、勤務している高校は残念ながら、学業不振などの理由で進路変更を余儀なくされる生徒が少なくありません。

 

彼も、その1人となってしまいました。

その彼には授業中もたびたび注意することがあって、言い争いになることもありました。

 

いよいよ進級が危ぶまれる状態になっても、私は彼を励まし続けました。

君の大切な人生なんだから、投げやりになっちゃいけないよ、道は1つだけではないん

だから、と。

 

進級が出来なくなってしまい、その彼が進級変更の手続きを取りに登校していました。

私は彼に、元気かい、と声をかけました。

すると思いもかけない言葉が彼の口から発せられたのです。

先生だけには本当に感謝しています、と。

 

私は、びっくりしました。まさか、彼からそんな言葉が聞けるとは思ってもいなかったからです。

私はすかさず、君のためを思って注意したんだよ、君のことはずっと見ているからね

、と言いました。

 

彼は、バイクで遊びにきます、と言いました。

私は、ダメダメ、こんなに立派になりましたって挨拶をしに、きちんと歩いていらっし

ゃい、と言いました。

彼は清々しい微笑みを浮かべていました。

 

教師をやっていて何よりも嬉しい瞬間です。

こんな風に生徒と接することが出来るようになったのも維摩会春秋館で学ばせて頂いたおかげです。

 

今の私は胸を張って堂々と言えます。

苦難を克服することは、幸せへの大いなるチャンスであると‼️