What a wonderful time! in 維摩会春秋館(維摩会春秋館で過ごす素晴らしい時)NO6

Be independent!(自分自身を洲とせよ)

これは御釈迦様の御言葉ですね。

 

洲というのは、川の中で土が積もって水上に出ている部分。

ここは洪水があったとしても、

決して崩れたりして流されることがないんだそうです。

 

他の誰をも頼ることなく、

自分自身を拠り所として日々しっかりと精進していきなさい、

というような意味ではないかと思っています。

 

頼りになる自分ですって?

 

思わず自分の顔をじーっと眺めてしまいました。

自分のどこが一体頼りになるのだろうか?

 

筑波大学名誉教授の村上和雄氏が、「スイッチ・オンの生き方」致知出版のp83で、

遺伝子のことを、

人智を超えたものの存在を感ずるのです。

そういう存在を、「偉大なる何者か」という意味で、

私は「サムシング・グレート」と呼んできました。』

と述べておられます。

 

私はここから、私たち一人一人の存在が、

something great(サムシング・グレート)なのではないか、と感じました。

 

自分の顔をみて、ふとこのことを思い出しました。

 

そう、私たち1人1人はかけがえのない存在、

そして自分でも気付かない大いなる可能性を秘めた存在なのではないでしょうか!

 

このゴールデンウィーク中に維摩会では特別な指導がありました。

そこで実修をしている最中に

 

私は、自分には改善すべきところが沢山ある。

出来ないこともたくさんある。

そしてほんの少しできることもある。

 

そんな自分を丸ごとなんて素晴らしい存在なんだろう、

と実感することができました!

 

そして私以外の全ての存在も

同じようになんと素晴らしい存在なんだろう!って、

実感することができたのです!

 

その瞬間に私は嬉しくて嬉しくてたまらなくなりました。

 

今まで私は失敗をすると、こんな自分はダメだ、ダメだ、

と自己否定をすることが多かったんですよね。

 

そして少しでもできることがあると今度は天狗になってしまって、

なんてあたしってすごいの!

本当に恥ずかしい限りです。

(ちょっと大げさにいっているんですけれどもね!)

 

そんなわけで結構ジェットコースターのように

浮かんだり沈んだりの慌ただしくて落ち着かない日々を

送ることが多かったのです。

 

Be independent!(自分自身を洲とせよ)

当然のことながら御釈迦様もお頼りしてはならない、ということですよね。

 

Zen and Japanese Culture「禅と日本文化」をはじめとする英文の著作で

多くの西欧知識人に影響を与えた鈴木大拙氏は、

大拙 禅を語る」日本語訳 重松宗育(発行 アートデイズ)

後ろからp18で

次のように御釈迦様の御言葉を英語で紹介しています。

 

“Do not believe in me; do not believe my teaching. 

You hear, listen to my talk, and test it by yourself. 

Appeal to your own experience. 

And if you find it true, accept it.

 Don’t believe in me

just because I have a little more experience than you.

 Don’t believe what I say to you for that reason. 

Believe in yourself!”

 

p14にある日本語訳は以下になります。

「私を信じるのも、私の教えを信じるのもよくない。

みんな私の話を聞いたら、自分自身で確かめなさい。

自分の経験に照らして、それが本当だったら受け入れなさい。

私があなた方より少しばかり多くの経験を積んだからという理由で、

私を信じてはいけない。

ただそれだけの理由で、私の話すことを信じてはいけない。

自分自身こそ信じなさい」

 

いくら御釈迦様の御言葉であったとしても、

よく考えもしないで盲目的に正しいと思って信じていたら、

それはとても無責任なことで、

独りよがりの妄想にしかすぎず、

盲信狂信になってしまって、

本質にたどり着くことはできないんだな、と思いました。

 

最初は御釈迦様にお頼りすることができなくて寂しいと思ってしまいましたが、

さすが御釈迦様でいらっしゃいますね!

 

Be independent!(自分自身を洲とせよ)

ここで使われている independentは

(他の人・物に)たよらない、

依存しない、

独立した、

自由の(ジーニアス英和大辞典より)

といったような意味があります。

 

頼れる自分になれるように

さらにちょっぴりの努力を

日々重ねていきたいな、と思います。

 

自分のなかにある 

something great(サムシング・グレート)に

目覚めるためにも!

ウフィツィ美術館 ボッティチェリ「ビーナスの誕生」